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LCSストーリー

Story#03
「聴く」に徹すれば、人は変わる。プロとして、それを体現していきたい。

PROFILE

松井 幸政 さん
所属 ライフケア一つ山
     (センター長)

もともと百貨店の営業をしていたこともあり、人の話を聴くことは得意なほうだったかもしれません。しかし、そんな私があらためて「聴くことに徹すれば人って変わるんだ」との確信を得た利用者さんがいます。

数年前、奥様を亡くされて入居されたある男性。認知症を患っており、奥様が亡くなられたことも、なぜ自分がここにいるのかもわからないご様子で間もなく「なぜ俺はここにいるんだ!」「帰してくれ!」と大声で訴えるようになったんです。それは暴言というより、とてつもない不安から来る悲痛な叫びでした。状況を説明してもなかなか理解していただけません。私はとにかくその方の話を聞こうと、お食事以外はすべて、時間にして5~6時間その方のお部屋で過ごすようにしました。

明くる日も、そのまた明くる日も1日中話を聴く日が続きました。正直、終わりがあるのかと不安になることもありましたが、3~4日経った頃「こんなことは言いたくないんだけど」とこちらを気遣われるなど変化が現れ、2週間たったある日の朝、「おはよう」と言って新聞を広げ、穏やかに1日を過ごされるようになったんです。その日から今まで一度も大声を出されたことはありません。

認知症といってもすべてを忘れてしまうのではなく、心に残るものが必ずあります。「聴く」に徹することは、その残るものを信じて利用者さんと向き合いつづけること。要介護度も認知症の進行具合も異なるなかでさまざまな方を受け入れられるのは、小規模多機能型居宅介護とグループホームを完備し、一人ひとりに合った介護ができるから。これからもその男性に教わったように「人は変わる」と確信しながら、利用者一人ひとりの話に徹して耳を傾けていきます。

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