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夜明けの晩に
2013.9.21
梅雨らしい雨は程々に、炎天下が続く毎日。
連日30度超えが当たり前になり、夏本番が近付いて参りました。
そうなると心配なのが『熱中症』。
節電に気を取られて冷房無しで過ごされたり、水分補給を怠っての熱中症・脱水になられる
方が多く見られる時期でもあります。
皆様も水分補給には充分に気を付けて頂きたいと思います。
7月と言えば、ご存知の『七夕』であります。
そもそも、古来では『棚機(たなばた)』と言う、棚機自体が古い日本の禊ぎ行事があり、乙女が
着物を織って棚にそなえ、神さまを迎えて秋の豊作を祈ったり人々の汚れを払うというものがあ
りました。
選ばれた乙女は「棚機女(たなばたつめ)」と呼ばれ、川などの清い水辺にある機屋(はたや)に
籠って神さまの為に心をこめて着物を織ります。
そのときに使われたのが「棚機」(たなばた)という織り機です。
やがて仏教が伝わると、この行事はお盆を迎える準備として7月7日の夜に行われるようになり
ました。
現在の七夕という二文字で「たなばた」と当て字で読んでいるのも、ここから来ていると言われて
おり、その原型となる行事は皇居の宮中行事であります。
そして、笹の葉に願いを書くのは、葉っぱに宿った精霊が神様に願いを届けてくれるからと言わ
れ、それが次第に庶民の行事へと広がっていきました。
一般的に広く行われている七夕行事は、元々は宮中行事が始まりと言われています。
この七夕の夜(7月7日午前1時頃)は、別名で「夜明けの晩」と言い、この夜明けの晩に多くの
神社で神事が執り行われるのが、古来からの流れです
「夜明けの晩」と聞いて、かごめ歌を思い出された方もいるのではないでしょうか?
この「かごめ歌」ですが、丹後の籠神社が発祥です。
鶴と亀と滑ったのは、7月7日午前1時頃と言う訳でもあります。
と言う事で、今年の七夕が近付くに従い、デイサービス・ライフケア岩倉では今年
も七夕飾りの準備が始まりました。
『今年も織姫様と彦星様が、年に一度のデートの日だで。目一杯飾ってやらんとね。』
と、織姫様と彦星様の話から始まり
『そう言えば、私もお父さんと初めてデートしたのは~~で』
と、若い頃のご主人様との思い出話になったり
『あの頃は、男の人と手を繋いだだけで何言われるか分からんかったね』
と、当時を懐かしむ声も聞こえました。
『昔は俺が毎年笹を切って帰って、子供が短冊一杯書いてたな。アレが欲しいコレが欲しいっ
て、何でもかんでも欲しがってたね。まあ、物が無い時代だったし。』
と、飾りを作りながら息子様や娘様の話になりました。
短冊に願い事を書いて頂きました。
『アレもコレも』
と、沢山書き始められる方や
『今が一番。望む事は何も無いけど、しいて言えば今がずっと続いてくれたらいい。』
と、しみじみと語られる方もおられます。
望む形は様々です。
『皆、元気でいてくれたらそれでいいじゃないか』
そう言われながら書かれた一文です。
年配の方が書いた文章ならではですが、シンプルなのに奥の深さを感じます。
『最近、自分は色々な事に感謝が足りんと思っとる、どうもいかん。コレを肝に命じよう。』
と、書かれた一文。
既に願い事ではありませんが、自らの信念を感じます。
こうした経緯があり、今年も玄関に七夕短冊を飾る事が出来ました。
叶えて欲しい願い事を羅列する為の行事では無く、今現在を見つめ直したり少しだけ人生を
振り返ってみる機会を作る行事でもある事を、皆様に教えて頂きました。
皆様の想いや願いが、天まで届きます様に。