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3月2日 おこしもの作り
2013.3.25
おこしものと言えば、愛知県(尾張・三河とも)で、桃の節句に供えられるお菓子の一種です。
端午の節句にも作ったという話も聞きますが、一般的かどうかは定かではありません。
歴史も古く、始まりは江戸時代末期~明治時代とも言われており、利用者様の年代はまさに「全盛期」であっ
たと思われます。
また、名称が地域や家庭によって違います。
「おしもん」「おしもの」「おこしもの」「おこしもん」「おこしもち」「おしもち」等々、呼び名もまちまちです。
尚、今回のイベントを行うにあたり、利用者様に伺うと
「おこしもち」
と呼ばれる方が、圧倒的でした。
名古屋出身の方々は
「おこしもん」
と、言われており、利用者様同士でも呼び名が違ったりして、話を伺うだけでも面白いです。
利用者様から伺ったお話の中で出て来たのが、
三重県(伊賀地方)にも「おしもん」があったとの
話。
ただし、愛知のようなお餅のようなものではなく、
上新粉に水飴等を加える工程があり、餅と言う
より落雁に近いようで、中にあんこが入っている
そうです。
おこしものの作り方は、米粉を練ったものを食紅(赤、緑、黄色)で着色し、それを型に入れて形成。
その型から取り出した後、蒸します。
味がついていないので、砂糖あるいは砂糖醤油をつけて食べます。
地域によっては、焼いて食べる地区もある様です。
利用者に資料を交えて、
「おこしもの」を、あらためて
説明させて頂くと
「ほうほう、そんなもんがあったなあ」
「懐かしいね。娘に作った
ったわ」
「ウチにまだカタが残っとる
かもしれん」
と、多数の懐かしみの声。
米粉を混ぜ合わせます。
「ちょっと貸してごらん」
と、話される利用者様の
手付きは慣れたモノです。
鮮やかな手付きに、生地が
どんどん出来上がります。
「若い頃に帰った気分だね」
と、話しながら混ぜ合わせ。
生地がどんどん色付けされ
ていきます。
「わあ、懐かしい」
「毎年、こうやって娘と作
ったよね」
と、様々な想いを込めて
生地がカタに入れられて
いきます。
「よし、ここは任せろ!」
元気な言葉と共に、勢い
良くカタから出して頂きま
した。
蒸し上げて、見事完成。
カラフルな色取りで仕上
りました。
「ああ、こんな味だったね」
「これ食べたら、お雛さんを
片づけなきゃって言ってた
のを思い出した」
と、皆様の想いが
『おこしもの』
によって引き出された1日
でした。