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雪んこ兄弟の「冬物語」

2017.2.16

1月15日。

全国的な寒波で、名古屋も全面雪化粧。

「雪が降ったぞ!!」と、慣れない雪に大騒ぎ。

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雪まみれの車を、ちょっと動かすだけでも一苦労です。

 

 

申し遅れました。

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私達は、雪んこ兄弟の「ゆきざえもん」と「ゆきのすけ」と申します。

 

毎年お邪魔している、雪だるま太郎・次郎・花子兄弟の従妹です。

今年は雪だるま兄弟に代わって、私達がお邪魔させて頂きました。

 

<ゆきざえもん>

私達は雪で出来てるから、身体はとっても冷たいけれど

「私達を見て季節を感じて貰ったり」

「私達にまつわる想い出を思い出したり、話して欲しい」

と言う、心温まる気持ちが一杯詰まってるんだよね。

 

<ゆきのすけ>

そうだね、あんちゃん。

 

<ゆきざえもん>

私達を見てどんな話を聞かせて貰えるのか、とっても楽しみです。

私達に気が付いてくれるかな?

 

<ゆきのすけ>

そうだね、あんちゃん。

 

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『あら…、あんな所に雪だるまさん』

「あら本当、可愛らしい雪だるまさんね」

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『立派なお鼻が付いてますね』

 

<ゆきざえもん>

最近は私達を作ってくれる人達が少なくなったけど、まだまだ人気があるみたいで嬉しいね。

 

<ゆきのすけ>

そうだね、あんちゃん。

 

 

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『私が満州に居る頃ね、冬になると凄く雪が積もったから、物凄い大きな雪だるま作ったわよ。大き過ぎて、重くなった頭が乗せられなくなっちゃたりしてね』

「そうそう、ちょっと欲張っちゃうのよね」

『ワシん所は雪は投げて遊ぶぞ』

「雪合戦ね、私も良くやったわ」

『あの頃はどこも子供が一杯いたから、戦争みたいになったよね』

「地区同士でやり合ったね」

『雪玉作る人と投げる人とか役割あったよね』

「ワシは雪を一杯抱えて突撃してました」

『そういう人おったわ。向かってきたら皆でババーンってやっつけちゃってた』

 

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<ゆきざえもん>

雪だるまの話、ちょっとしかしてくれないね。

 

<ゆきのすけ>

そうだね、あんちゃん。

 

<ゆきざえもん>

でも、お年寄りの人達、とっても楽しそう。

 

<ゆきのすけ>

そうだね、あんちゃん。

 

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「あらら…こんな所で可愛そうに、溶けちゃうからコッチおいで」

 

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<ゆきざえもん>

涙が出て来たと思ったら、ちょっと溶けてきたみたい。

 

<ゆきのすけ>

そうだね、あんちゃん。

 

 

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雪だるまを見ると、満州を思い出すね。

あの頃は、父も母も元気でね。

冬になると満州は凄く雪が積もるから、大きな雪だるまをいつも作ってた。

裕福な家だったから、私は何不自由なく育てて貰ったわ。

お手伝いさんとかも居て、何もかもやって貰ったしね。

でもね、戦争が終わる前に横浜に帰ってきたんだけど、その頃の日本は悲惨でね。

毎日を生きるのに必死。

いざとなると、お金なんて何の役にも立たないって思ったわ。

戦争が終わった後に結婚して、子供と一緒に雪だるまを作った時に

「平和って、とっても幸せ」なんだなって、凄く思ったわよ。

戦争は絶対やっちゃいけないね、誰も徳しないしね。

 

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<ゆきざえもん>

やっぱり、来て良かった。

 

<ゆきのすけ>

そうだね、あんちゃん。

 

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<ゆきざえもん>

そろそろお別れの時間が来たみたいです。

今冬にもう一度皆様に逢えるといいなって思ってます。

 

<ゆきのすけ>

そ…うだ……ね、あ…

 

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<ゆきざえもん>

それでは、雪の降る日に…また逢い…まし…ょ………

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