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日本認知症ケア学会大会レポート!
2016.6.16
【ライフケアグループからは6名の認知症ケア専門士が参加です!】
今回は「認知症ケアを究める」が大会テーマ。
この度はライフケアグループ職員総勢6名が参加した中、
私たちは日常の当グループにおける認知症ケアを、この機会に
「そもそも認知症ケアとは何か」といった観点で原点を振り返り、
深く掘り下げて、取り纏めたものを持ち帰ったものを
下記にレポートさせていただきます。
<大会長あいさつ>
「認知症ケアを究める」とは何か 専門職の専門性と自立性
大阪市立大学大学院 教授 岡田 進一 氏
認知症ケアを究めることは
“ 認知症ケア専門士 ” の専門性を図るための、
自己点検と自己覚知の積み重ね である。
・ケア内容の言語化する → どのような根拠で認知症ケアを行っ
ているのかの説明
・お互いそれぞれのケアについての話し合いを通じて情報を共有
やがて、それはチームのエビデンス(確固たる根拠=自信)となる
<講師講演1> 地域包括ケアにおけるグループホームの役割
グループホームの「地域住民との交流」の意義と具体的活動 株式会社フジケア 代表取締役 白木 裕子 氏
地域包括ケアシステムを通じて
いかに“在宅化”を進めれられるかがカギ
①どのような状態になったら、住み替えるのか
②どのような住まい方をするか
③どのような状況になったら、入院するかを取り決め
地域において認知症ケアの発信をグループホームが担うのが望ましい。
看取りの場所として、認知症の正しい認識を地域に広める場所として、
グループホームは不可欠であり、それは在宅介護の延長上にある。
<講師講演2> 地域包括ケアにおけるケアマネジメントの今後の展開
「地域包括ケアとは何か」 住まいが中心にある地域の体制
桜美林大学大学院 教授 白澤 政和 氏
地域包括ケアとは、
自立した日常生活の支援が包括的に行われる体制である
取り組む人の大抵は、目標はいいが・・・。
どうやったら実現するのか? そのために何をするのか?
が欠けている。
① インフラ ② サービスメニュー(24時間サービスなど)
“自己決定”と“身体の自立”が、自立の意味をなすのではなく、
自らが有する力の維持と、自らの必要性にあった社会資源を、
自分で決めていけるように ケアマネジメントを行うこと
が本来のケアマネジメントの姿である。
<講師講演3> 地域包括ケアにおける小規模多機能の役割
「暮らしぶりを変えずに、住み替える。」
“少しぐらい間違ってもいい”受け入れながら地域で。
京都大学大学院工学研究科 教授 三浦 研 氏
人との“つながり”が 無意識に人の行動を決め、
そしてその人の健康を左右する。
“ つながり ” の効果
自治体の“与える”行政サービスよりも、
家族、友人、隣人の“関わる役割”が大きい。
新しい互助のキーワードは、 “ 役割を持つ ” “ 参加する ” “ ひと手間かける喜び ”
<講師講演4> 認知症高齢者の終末期ケア
“死の課題”とは “認知症となって亡くなるのは、特別なことではない”
佐久大学 学長 堀田 ふき 氏
“日常生活の延長上”に死がある。
そして高齢者ケアには、終末期ケアがつきものと覚えておく
終末期における延命処置の希望・必要性の感じる割合
・一般国民 約6割 ・医師、看護師 約8割
必要性のズレを踏まえて福祉の専門職としては、
最期の時まで当事者(本人・家族)の意思をどのように把握するか?
前もって意向を聞いたとしても、変化して当たり前と思うことが大切。
都度都度話し合って決めていくことがポイント
<講師講演5 シンポジウム>
アクティビティケアにおける認知症ケアと世代交流
福祉は、文化豊かな生き方を目指す人々へのサポートとなる。
高齢者アクティビティ開発センター 多田 千尋 氏
“お年寄りがなくなるということは、その街から図書館が一つなくなるのと同じことだ“
元国連事務総長 アナン氏
子供と世代交流させないと本当に勿体無い!
生きる喜び、創造的な豊かな生活文化を目指す努力や考え
フィロソフィー(philosophy)
<まとめ>
今回の大会を振り返って
大会長は、 講話の中でケア提供者が成長するために 下記のポイントを挙げています。
①自身の認知症ケアの実践を振り返り、内省し自己査定すること。
②実践する認知症ケアで “できていること”を評価し、“できていないこと” を改善していくことが
成功する可能性を高め、やがて自信につながる。
③同時にそれが失敗をした際の改善点を考えるヒントであり力の源になる。
このような過程を経て、専門職として成長し、他人のために自信が役立っていることを感じる
充実感を得ることであると、今回参加した講演やシンポジウムにおいて学び得ることができた
ことが大きな収穫となった
編:福祉事業本部