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ものわすれ介護への取り組み
2011.6.3
認知症を抱える方とのコミュニケーション方法や、
今回は時折、事業所内の通路を ” うろうろ ”とされる
男性利用者の気持ちについて
情報と課題の整理をして、その検討を行います。
【 情 報 】
・ ”うろうろ”・・・にも二通り
①意識が混濁(不明瞭)なとき。「・・・・。(無言)」
②意識がはっきりしているとき。「運動しなきゃいかんから・・・。」
・ 日中のほどんどは、少しなりとも会話は成立している。
・ A わかっているところ と B 支離滅裂なところがある(どんなに声を掛けても、届かない)
・ 利用前の入院先の病院からの医療提供情報は、ほとんど開示頂けていない。
<病状は、単に「認知症」とだけで種類は不明。服薬は血圧の薬と漢方薬1種類のみ。>
・ ”うろうろ”は、夕方に多く表れる。
・ ある日の夕方、娘様が来所した時の事。
娘様が帰宅するのを見送って・・・、外をずっと見て、言葉も出ない。目の焦点もあってない様子。
・ けれども、他のある日は、娘様を見送る際に、あえて「気を使って何も言わない・・・。」と本人。
これらをもとに課題整理と検討に入りました。
【 検 討 】
・場面と環境から気持ちを読み取る。
・他の利用者にその家族が面会があり、団らんの場面に
「わしの話を聴いてくれ・・・!」。
・ある日の朝、「他人のために、何かしたい・・・。」という本人に
私たちは、気を察して、どんなアプローチができるのかということについて
その後、具体的な実践内容について申し合わせをしました。
★話の内容だけでなく、相手の感情にも耳を澄ます
感情に耳を澄ます・・・。
それは、相手の気持ちを心の底から、理解しようとすること。
ことばの「意味」や、会話の「脈絡」ではなく、
ことばや会話に隠された、その裏側の「気持ち」を理解しようとすること。
★沈黙を受け入れることも大事
こちらからついつい一方的にしゃべらないんです。
また、相手と会話を無理に続けようとしない。答えを急がない。
なにぶんにも、沈黙を怖がらない勇気も大切なのです。
といった具合に
単なる対応っていう風にとらえずに
”察して”いく姿勢が大切なんですね。
今回学んだことをもとに
実践した結果を、また後日みんなで検証します。
これを、何度も何度も繰り返して
その人にあったケアを、みんなで組み立てていきます。
こうして、利用者さんや、その家族と分かり合える日があって、
頼りにされて・・・。
だから、実感のある介護ができるのかなって、
ホントにそう思います。
また、こういった取り組みのことについても
少しづつご紹介しますね。